茨城実践型インターンシップ 3年間のまとめ

茨城 インターンシップ 

実践型インターンシップのコーディネーターとして、3年間取り組んできました。
14社・24プロジェクトに30名の学生が、1ヶ月以上のインターンシップを行いました。
それらの結果について、まとめてみます。

実践型インターンシップとは

まずは、実践型インターンシップとは何かについて触れておきます。
実践型インターンシップ

実践型インターンシップは、「期間が1ヶ月以上の中長期である」「企業内のプロジェクトに取り組む」という2つが大きな特徴です。
短期インターンで、見学・体験の「お客様」というよりは、
期間限定の正社員」というイメージが近いです。

取り組むプロジェクトは、インターン生のために用意するのではなく、
企業が本気でやりたいと思うプロジェクトです。
企業も学生も本気で取り組みながら、両者が学び合う関係を築いていきます。

また、導入後によって企業が得られる効果としては、大きく4つあります。
・会社の風土や雰囲気の改善          ・・・◎
・受入体制の強化、社員のマネジメント力の向上 ・・・◎
・プロジェクトの推進             ・・・〇
・新しい人材の確保              ・・・△

インターン生が前向きに働く姿は、周りの社員へ伝わり、雰囲気の改善につながります。
また、誰かに教えることを通して、社員自身の振り返りと成長、マネジメントの経験ができます。
このような組織の雰囲気やマネジメント力の向上によって、
受入力が高まり、結果的に採用力が高くなるのです。
受入企業の評価で、実際の声を含め具体的に書いています。)

インターンシップ導入事例

3年間で受入をした企業は14社で、24のプロジェクトがあります。
ホテル・旅館、飲食、食品会社、観光・レジャー、農園、メディア、IT、建設など、業種は様々です。
(とても悔しいことですが、募集をしてもマッチングしなかった会社もあります。
それも含めると企業数や業種はさらに増えます。)

2つほど実際に導入した事例を紹介します。

うのしまヴィラ

日立市にある”うのしまヴィラ”さんは、東日本大震災で大半の施設が全壊となる被害に遭いました。
2014年4月24日に施設を新設し、まったく新しいスタイルで生まれ変わり(リボーン)しました。
リボーンして1周年目は慌ただしく過ぎてしまいましたが、
2周年目はインターンを活用して感謝祭を開催する提案をしました。

インターンに来たのは、都内の大学に通う中澤さん。
地元の方と一緒に感謝祭の企画をしました。
うのしまヴィラ インターン
(2016年4月15日 毎日新聞)

音楽とクラフトとBBQが楽しめる感謝祭には、約200名が参加しました。
リボーンイベントの様子1

イベントを運営する「チームうのしま」ができあがったり、
うのしまヴィラを新しい人に知ってもらうことができました。
(館主の原田さんのインタビューはこちら。)
中澤さんは、まちづくりへのアプローチ前向きに動くことの大切さを学んでくれました。
インターン後も、年に2回くらい、日立に遊びに来てくれることもうれしいです。

まるみつ旅館

次に、北茨城市にある”まるみつ旅館”さんでは、3年間で10人以上のインターンを受け入れました。
(武士社長のインタビューはこちら。)

その1つで、あんこうの吊るし切り文化を広めたいと、吊るし切り道場を開講しています。
インターン生は、都内の大学に通う入江さんです。
まずは自分が吊るし切りをマスターしました。
(吊るし切りできる女子大生は、世界でも彼女だけかもしれません。笑)
まるみつ旅館 あんこう 吊るし切り インターン
入江さんは、道場のコース毎にプログラムを開発しました。
(そのかたわら、新しいあんこう料理として”目玉焼き”の試作もしていました。笑)

吊るし切り道場を開講すると、テレビを含むいくつかのメディアに取り上げてもらいました。
吊るし切り道場 まるみつ旅館 インターン
(日本テレビ「news every.」)

武士社長は、「プログラム作成だけでなく、面白い料理レシピもできてとても満足です。
インターン生の積極的な行動で、社員が積極的に提案するなど前向きな行動が増えました。」
入江さんは、「普段の生活とは違い、自分でプロジェクトを進める経験ができて良かった。
また、 ゆかりのない茨城を知れた。」と話していました。

インターン生の特徴

このようなインターンシップを展開していますが、数字上でも特徴があるので、ご紹介します。
こちらは、参加学生の属性をグラフにしたものです。
茨城インターンシップ 学生

約3割は、茨城県外出身の県外学生です。
学生の多くは、プロジェクト内容に共感して参加してきています。
プロジェクトを尖らせて、対象学生に刺さるような内容と伝え方は意識しています。

県内の参加学生については、常磐大学9名、茨城大学8名、茨城キリスト教大学2名です。
県外では、早稲田大学から3名が参加しています。
3名とも面識はなく、各々がWEBサイトなどを見て、申し込んでくれています。

また、参加者の学年もまちまちです。
参加時の学年は、1年生:11名、2年生:8名、3年生:11名です。
最近は、3年生で採用目的のインターンが増えているので、
1,2年生での参加はおすすめしています。

受入企業の評価

つぎに、受入企業側のアンケートから、満足度を集計しています。

茨城 インターン 企業満足度

「非常に満足」か「満足」と回答してくれています。
「ふつう」「少し不満足」「不満足」という回答はありませんでした。
平成28年度の文部科学省「インターンシップの推進等に関する調査研究協力者会議」内の資料では、満足している企業は3割程度と書かれています。
同調査にも書かれていますが、やはり満足度を高めるには、
専門人材(コーディネーター)は必要であると思います。

以下に満足度の理由の一部を抜粋します。

・会社の風土や雰囲気の改善

「学生の若さ、前向きの姿勢が会社の風土を良くしてくれた。」
「学生さんの前向きな姿勢を見てスタッフが感化され、相乗効果がみられた。」

・受入体制の強化、社員のマネジメント力の向上
「スタッフの受け入れやトレーニングをスムーズにするための手がかりが得られました。」
「学生の意見、考え方、見方等を確認できた。」
「社員の受入れ意識を確認できた。」

・プロジェクトの推進
会社としてなかなかやれない事業を、学生ならではの若さとやる気でやってもらえる。
「単純に成果が上がっている」
「広報・PRができた」

アンケートの別項目には、課題も書かれています。
「少人数企業では、受入の負担があり、難しいのではないか。」
「学生のモチベーションをどう上げていくかを、相談しながら進めていきたいです。」
「事業の状況が変わる中で、当初のスケジュールに合わせて業務を進められなかった。」

学生とは、日報を使って、日々コミュニケーションをとっています。
企業とも、より濃密にコミュニケーションをとる必要性を感じています。

 

なかなかイメージしづらいと言われる実践型インターンシップですが、参考になったでしょうか。
私自身、ちゃんと理解するのに、全国のコーディネート団体から話を聞き、
1年半くらいはかかったと思います。

茨城県内で、良いインターンシップをどう展開していくのか。
大学、企業、学生、自治体など、関係者たちと創っていくことが良いのではないかと思っています。