兼業・副業という学びのサードプレイス

シェアプロ 兼業 複業 副業

今回は、ギャザリング2日目についてです。
1日目については、こちら
2日目は、兼業・副業(複業)のパートに参加します。
これはえぽっくでも、進めていきたいテーマです。

兼業などは、社外組織との関わりが多様になることで、越境的な学びの経験を得ることができます。
これは、家でも、会社・学校でもない「学びのサードプレイス」ともいえます。
そもそも、1つの組織の中だけで1人前になるのではなく、さまざまなコミュニティを意欲的に行き来きしながら、成長していくものです。
また、他社で確立された知識などに触れることで外部刺激を受け、自身の仕事に当てはめることで新しいものを創造できる可能性はあがります。
最近では、社内の課題解決や新たな価値創出において、社内での人材育成だけでは不足を感じている会社が増えてきています。

また、自分で事業を行えば、時給的感覚ではなく、プロフィットセンターとコストセンターも理解できる。
会社側としても、優秀な人材の確保、人材育成、離職率の低下など、多くの効果があります。
調査データを見ていると、まだ認識のギャップがあって、会社が導入していない場合、「本業が疎かになる」「他社へ転職される」といったことを感じているようです。

まずは、ETIC.の伊藤順平さんから導入のお話。
兼業などに興味を持つ人は95%いて、副収入+スキルアップを目的とする人が多い。
地方都市の支援をしたい人も6割程度いるそうです。
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今年1月の厚生労働省のガイドライン改定に伴い、副業元年とも言われています。
大手企業でも解禁されていますが、推進しているところから、規定が変わっただけのところまで対応はまだバラバラのようです。

そんな中、副業のマッチングサイトも増えてきています。
ETIC.のサービス右腕型求人サイトのYOSOMON!では、転職から副業での募集に変えたところ、求人の数も質も格段にあがったそうです。
求人を出す前に、「本当にフルタイム必要なのか。」「遠隔でも作業可能なのか。」などは一考された方が良いかもしれません。

続いては、岐阜のG-netのシェアプロの取り組み。
社会人インターンとも言えるもので、仕事の時間以外で企業のプロジェクトに参画します。
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1期目は自由応募でしたが、2期目は企業の研修として受入をしたそうです。
まず、28名の枠に対して、参加希望者は100名。やる気が相当高いようです。

実際にやってみると、地域企業側はミーティングの在り方や数字への意識など、大企業との意識の違いを感じたそうです。
さらに、経営に対しても積極的に質問をしてくるので、再考するきっかけになります。
ここも同じ学び合いです。
この状況をみた地域企業の社員は、「こんなこと言っていいんだ!」と社内が活性化するそうです。
また、大企業の社員からすると、地域企業の社員の方は、「会社全体のことを詳しく知っている」ことに大いに驚くそうです。

実際に合うのはたった5日間で、あとは毎週のネット会議。
それでも熱量ある活動にするには、プロジェクトの本気度が必要。
お互い本気でなければ、モチベーションが保てません。

自社で進めるパラレルプロジェクト。
仕事と並行しながら、別のコミュニティをもって、チームで他社の課題解決などに取り組みます。
対話型の研修はもちろん、他社で確立された考え方や技術に触るとともに、自分がもつ知識や技術を使って、どう課題を解決するか、企画から実行まで行います。
もともと、地域の企業で働く人と都内の大企業で働く人を混ぜたいと思っていました。
こういったチーム編成をしたときの、化学反応も面白いのではないかと思っています。

午後は、実際に兼業プロジェクトの設計ワークショップ。
広島のレモンを使ったスパークリングレモンの開発など、「醸す」をテーマにしたナオライ株式会社の三宅社長。
各テーブルごとに、経営的に大事なことは何かを話合いながら、兼業プロジェクトにつくりこんでいきます。
参画する人は、社会的な価値への共感も大切にしているので、それもポイントでした。

最終日は、振り返りと未来について話し合うワークです。
50年後は、社会がどうなっているのか不確実で、難しい内容でした。
とりあえず、1度えぽっくは解散して、ネオえぽっくとして復活するんじゃないかと思っています。笑

今回の振り返りは、兼業・副業という言葉でも、高スキル人材が企業に貢献するものと、人材育成が目的のものが存在します。
人材育成には、社会の変化が激しい中、ポートフォリオワーカー(複数専門性で稼ぐ人)が増えるので、そういった意味でのインターンも含まれます。
まずは、どういう目的で兼業などを推進したいのかを、明確にしていくことから始まりそうです。