【学生取材】株式会社ユニキャスト ー全文記事ー

ユニキャスト 集合写真 旅する冊子 取材インターン

IT企業はブラックだと決めつけていませんか?
「就職は結婚である」と、長期インターンシップ制度による恋愛結婚のような就職方法を採用!
地域にも働く人にも優しいけれど、ITベンチャー企業として技術力を武器に、社会の先へ進む「株式会社ユニキャスト」を紹介します。

企業紹介

株式会社ユニキャストは、茨城県日立市にある、設立15年目のITベンチャー企業です。
社長の三ツ堀裕太さんは、茨城大学の大学院時代に起業され、当時は茨城大学工学部がある日立キャンパス内にオフィスを構えていました。
現在は資本金500万円、社員18名、インターン生7名体制で運営されています。
『テクノロジを通して「驚き」と「感動」を創造し、人々の「夢」と「笑顔」を支えます。』をミッションとして、茨城から世界中に価値を提供しています。

主な事業内容は、webやアプリケーションの開発です。PepperやSotaなど、ロボットのアプリケーションも開発しており、企業や公共施設で利用されています。
地域に根差した企業として地域貢献型シェアハウス「コクリエ」も運営されています。
ユニキャストさんの特徴として、長期インターンを活用した採用制度があります。会社と学生が理解し合ってから入社することで、ミスマッチを防ぐことを目的としています。
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会社見学

会社見学では、2階建てのオフィスを見せていただきました。
1階は社長やパートさんの仕事場で、2階はエンジニア中心の仕事場になっています。
2階には、昨年の取材インターンの参加者で、現在ユニキャストでコーポレートスタッフとしてインターンをする大内あかりさんが、求人サイトへの投稿作業をしていました。
ユニキャスト 会社見学 旅する冊子 取材インターン
昨年、会社の規模拡大に伴って、吹き抜けだった2階部分に床をいれたそうです。
社員が働きやすいように、各自が好きなマウスやイスなどを、できる限り会社で購入する制度もあります。
また、社員さん同士が振り返って気軽に話していたり、コミュニケーションをとりやすい環境なのだと感じました。
1階の柱や、階段部分などに「全体の目標」という紙が貼ってありました。
「全体の目標」とは、当たり前を当たり前に、ということで社内コミュニケーションや業務を円滑に行うための指針だそうです。私たちが伺った時には「1.スケジュール管理、2.記録の徹底、3.当事者コミュニケーション、4.時間厳守」が書いてありましたが、内容は必要に応じて変えることがあるそうです。

社長インタビュー

代表取締役 三ツ堀裕太さん

社員とのコミュニケーションを大切にし、社員の健康のために、労働時間の管理から、美味しいものの準備までする。とても社員想いの社長です。
会社設立までについては、昨年のひきだしインターンの記事にて書かれているので、こちらを参照ください
⇒⇒https://epochers.com/project/intern/axis_unicast/

今回のインタビューでは、主に、ユニキャストさんの特徴である長期インターンからの採用についてお聞きしました!

――長期インターンにはどのような人が参加されるのですか?
大学の先生や、先輩、友達からの紹介で来てくれる人が多いですね。
あとは、ネットやホームページを見て応募してきてくれる人もいます。
最近では、地域の学生だけでなく、都内や、アメリカの大学からも長期休暇中にインターンの応募がありました。アメリカの学生は今年入社して、アメリカで「Unicast Robotics Inc.」という新しい子会社を作り、ロボティクス事業の海外展開に取り組んでいます。

――長期インターンの前には、約2週間のトライアルインターンがあると聞きました。
  これには、何回チャレンジできますか?

課題を達成するまでのプロセスを見ているので、何回でもできます。
なかには、1回目の挑戦で会社と合わないと感じ、そのままリタイアする人もいます。だから、何回も挑戦する人はあまりいないですね。出来る人は1回で仕上げようと社員に聞いたり、努力や工夫をしたりしているので。

――インターン生の具体的にどんなところを見ていますか?
課題に対して、始めから「教えてくれ」という受け身ではなく、「ここが分からないのだけど、どうしたらいいのか?」と、考えてから聞く姿勢ですね。ひとりぼっちにはしないけれど、自分の力でやる気があるかを見ています。
あとは人間関係。複数人でひとつのものを作る仕事なので、チーム(社員)との相性が合うかも見ています。
スキルはこれから伸ばせるけれど、性格面はもともと持っているもので、なかなか変わらないと考えているからです。

――社長が会社にいる時に大切にしていることは何ですか?
コミュニケーションをとることと、法律を守ること、かな。
社長だから外との交渉が多くて、会社にいることは結構少ないんだけど。会社にいる時は時間が空いたら、2階に行って社員に話しかけたりしてます。あっちからしたら邪魔かもしれないけどね笑
あと、法律については、みなし残業はやらない。1分単位で給料は全部払う、月40時間以上の残業は禁止にしています。ITはブラックだというけれど、守るべきところは守らないといけないですよね。

――社員に対して気を付けていることは?
コミュニケーションと健康。コミュニケーションは先程言った通りです。
健康に関しては、おいしいものを食べることと寝ること。この2つが健康の特効薬だと思ってます。福利厚生というわけではないけれど、今年から社内に業務用冷凍庫を設置しました。日々、おいしいものを仕入れ、準備してます。冷凍庫が大きすぎて、僕のワークスペースがすごく狭いんだけどね笑

社員インタビュー

1人目:
内定者 外谷 弘樹さん

外谷さんは、茨城大学工学部4年生です。1年4カ月間、ユニキャストでインターンをしており、来年4月から社員として働く予定です。

――なぜユニキャストでインターンしようと思ったのですか?
ロボットを作るサークルに所属しており、サークルの先輩の紹介で見学に来ました。同じ大学の卒業生が多く、安心感を覚え、インターンに参加しました。トライアルインターンの時に覚悟を決めて、働いていたバイトを辞めて専念しました笑

――実際にインターンをしてみてどうでしたか?
トライアルインターンの課題は、普段自分が使っているプログラミング言語と違っていて大変でした。でも、社員の方々が親切に教えてくれたので、安心して臨むことができました。
インターンでは実際にプロジェクトチームに参加し、社員の方々と協力して取り組んでいます。作ったプログラムを取引先の企業様と確認した際に、プログラムが動かなかったことが1番のヒヤッとポイントでした。その後、先輩にサポートしてもらい、無事に動くプログラムを納品できました。

――大学で学んでいることで、インターンで生きていることはありますか?
大学では、機械がどう動いているかという論理を学びますが、インターンでは実際に動かすプログラムを作るのが仕事なので、あまりないです。扱うプログラミング言語も違いますしね。ただ、基本の考え方などは、役に立っているかもしれません。

――他の企業のインターンや、就活は行いましたか?
していません。
就活したくないということもあります。しかし、それよりインターンを通してお互いを知っているという安心感がある会社に勤めたいので、ユニキャストに決めていました。
会社と自分が相互理解している関係だと、就職してからのビジョンがとても見やすく、当たり外れがない。また、自分のやりたいことであるアプリケーション開発ができる環境があることは貴重だと思います。

 

2人目:
齊藤 潤さん

大学時代を千葉県で過ごしたのち、2013年にユニキャストに新卒入社。茨城県へUターン就職しました。エンジニアとして働いています。

――入社の経緯を教えてください。
地元が好きで、茨城県の求人で日立市の会社も見ていました。ひたちなかの勉強会で聞いたユニキャストという会社に興味を持ち、問い合わせフォームからメッセージを送ったんです。見学したのち、面白い企業だと思って入社を決めました。当時の第一印象は、茨城にもベンチャー企業があることへの驚きと、「大学内の一室に会社や、サーバーがあるなんて頭おかしい」という面白さを感じましたね。

――Uターン就職をしてどうですか?
もともとUターンする時に、高校生までやっていたボーイスカウトで得た人との繋がりを大切にしたい、お世話になった地元に恩返しがしたいと思っていました。
今でも地域の繋がりはあって、ボーイスカウトでお世話になった人が、お客さんとして来る時は嬉しさと緊張があります。

――働くうえで大切にしていることはありますか?
人と自分を比べないようにすることが、仕事を続けるうえでかなり重要だと思います。あと、覚悟と自信、ですね。

――覚悟と自信?
自分が技術者として誰にも負けない、という自信ではなく、自分自身がプログラミングが好きだと自信を持って言えること。「得意」よりも「好き」が大事だと思っています。覚悟も「好きだから」続けられる。だから、この仕事を辞めたいと思ったことはありません。

――働き始めたころと変わったことはありますか?
インターン生が多く来る職場ならではかもしれないけど、自分が誰かに教えたり、誰かを育成する立場になったこと。新しい言語を覚えたり、新しい技術も多く取り入れています。

――インターン生が別の企業に就職した時はどう思いますか?
教育コストとかの問題はあるかもしれないけど、就職はその人の自己実現のためなので、本人次第だと思っています。ただ、もしユニキャストが、都内の企業に比べて地方の企業だから底が浅いと思われるなら、技術でどうにかできると思うし、自分もそうしたいと思います。

 

3人目:
髙橋 英里穂さん

茨城大学工学部出身で学生時代に行ったインターンは大好きな歯車の工場に3日間だけ。大学卒業後はユニキャストではない会社に就職したものの、一年後にユニキャストに転職されました。今でも歯車の動きを見ることが癒しの1つだそうです。

――なぜユニキャストに入社しようと思ったのですか?
就活で早めに内定をもらって入社したのですが、そこが合わなくて。学生時代の研究室の教授に相談したところ、教授に紹介してもらったのがユニキャストでした。社長の恩師でもあるそうで。

――前の会社が合わなかったというのは?
前の会社が結構ひどいところで…。専門とは関係ない作業が多く、成長できないことや、社内の雰囲気に違和感を覚えていました。

――ユニキャストに入社してみてどうですか?
最初は何も分からずに入社しましたが、最近は出来ることが増えて、結果も出てきています。自分の小さな成長を感じられて楽しいです。職場の雰囲気もいいですし。挑戦できる環境にあるので、やりがいも感じます。これからは、今よりもミスが少なくなるように、動作確認テストの改善・時間配分など、自分の力を向上させていきたいと思っています。

――ユニキャストの第一印象はどうでしたか?
「みどり」です。

――みどり???
初めてユニキャストを見学したのは大学生の時で、当時は4,5人しか社員がおらず、茨城大学の中にオフィスがありました。オフィスに観葉植物などの緑が多くて、おもしろい会社だなと思っていました。

――女性エンジニアは少ないと思いますが、今後女性に入社して欲しい気持ちはありますか?
社内で男女差は感じておらず、フランクで働きやすいと感じています。なので、特に女性がいい、ということはないですね。一緒に働きやすい人であれば、男性でも女性でも。

――キャリアプランなどがありましたら教えてください。
自分でお金を持って自立していたいと思っているので、今後もユニキャストでの仕事を続けていきたいです。
ただ、それ以外の未来は漠然としています。結婚についてもまだ考えていないですが、結婚しても離婚することもあるので、自分で仕事はしていたいです。

ワークショップ

ワークショップのテーマは、「インターン生主体で社内イベントをやるとしたら、どんなものをやるか?」です。2グループに分かれて、インターン生の外谷さんと林さんに、1人ずつチームに入っていただきました。ブレインストーミングでアイデア出しをした後、普段の社内の様子や、インターン生の想いをくみ取って、企画をまとめていきました。

外谷さんと林さんからは、
・以前に社内でマシュマロタワーというゲームをして、楽しかったからまたやりたい
・自分が関わっているプロジェクトチーム以外の人とは交流が少ないので、他のチームとも何かしたい
・普段お世話になっている社員さんに恩返しをしたい
・社員さんそれぞれのことをもっと知りたい
という意見が出ました。

社内の雰囲気が良く、時々行われる社内ワークショップも和やかな雰囲気でやっていることが感じ取れました。
一方、社内の雰囲気はとても良いですが、普段の業務ではあまり関わらない人がいたり、個々人について深く知る機会は少ないのだと感じました。
以上を踏まえて、それぞれのチームで提案した企画を紹介します。

(林さんチーム)
お世話になっている社員さん達に、インターン生が料理を振舞いつつ、社員クイズ大会をするという企画です。クイズは、事前に社員さんの趣味や好きなデバイスなどをこっそりインタビューして作ります。クイズによって社員同士の理解を深め、より楽しいコミュニケーションができることを目的としています。 

(外谷さんチーム)
「チーム対抗料理対決」が挙げられました。普段のチームとは異なる人同士でチームを組み、新しいチーム同士で対抗して、社長と副社長に料理を振舞うという企画です。料理を一緒に食べるだけではなく、買い出しから作る過程までを共有することで、普段関わりが少ない社員とも、密なコミュニケーションをとることを目的としています。
人事の方には、どちらの案も好評をいただけました。私たちのインタビューでも、髙橋さんは「歯車がとても好き」という、ちょっとしたきっかけで会話が弾みました。関わりの少なかった社員さんの面白ポイントを見つけて、社内コミュニケーションがより深まるといいなと思います。

⇒⇒実際に「ユニキャストレストラン」という、インターン生をリーダーとしたチーム間の料理対決イベントとして開催されました! 詳細はこちらから。

学生の感想

倉田沙耶香(てんてん)


ベンチャー企業は、都内にしかないというイメージが強く、茨城県にもITベンチャーがあることに驚きました。最初は大学の敷地の一室から始まり、何かを始めるにあたって、場所は関係ないのだと驚かされました。システムエンジニアは、ブラックな仕事だと思っていましたが、フレックスタイム制度を設け、社員個人の働き方に合わせていること、残業に関してもみなし残業が一切なく、社員が働きやすい環境が整備されていました。この働きやすさが、企業の成長に繋がっているのだと感じました。
また、社員一人一人が、自分のやりたいことや、好きなことをやれている印象が強かったです。
他の企業にはあまりない長期インターンからの採用制度があり、インターンは恋愛、就職は結婚言葉がとても印象的でした。あまりよく知らない相手とは結婚したくないという当たり前のことが、就活では違っていて、これからの就活に新たな視点を持つことできました。
お忙しい中、貴重な体験をさせていただき、本当に有難うございました。

 

阿部杏香(きょうちゃん)


ユニキャストさんは、社員さんもインターン生も安心して働けるいい環境であると感じました。
これは、インターン採用を通して、企業の空気に合った人が集まっているからだと思います。
インターンしないと就職できないというと、ハードルが高いイメージでした。しかし、トライアルインターンは、何度でも挑戦できて、社員さんに教えてもらえたり、チームである安心感がありました。
一方、インターンでは、自分で努力や工夫をすること、コミュニケーションがしっかりとれることが求められます。自分自身をしっかり持って取り組まないといけないと感じました。
新しい採用方法をとるユニキャストさんだからこそ、一人一人が自立し、かつチームとして違和感なく仕事ができているのだと思います。
また、社内環境だけではなく、事業も海外展開や新しいことをどんどんしており、茨城県北に、このようなベンチャーがあることに驚きました。場所にこだわらない会社の形態に、新しい時代を感じました!
お忙しい中、私たちの取材に対応してくださったユニキャストの皆様に感謝申し上げます。

 

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