【学生取材】株式会社ユニキャスト ー全文記事ー

皆さんはIT企業と聞いて、どんなことを思い浮かべますか?
多分皆さんは一人で黙々と作業をするイメージがあると思います。
しかしそうではないんです!
私たちが、皆さんが思っているIT企業とは違う『株式会社ユニキャスト』という企業を紹介します!

企業紹介

 株式会社ユニキャストは2005年に設立され、今年で設立から14年目。所在地は日立市大みか町で、従業員は21名(正社員14名、インターン7名体制)。ユニキャストの社名の由来はUNI + CAST(unit=結合体 unique=独特な cast=配役、投げかける)という意味があります。また、通信用語で「個別通信」を意味し、一人ひとりのお客様とチーム一丸となり、しっかりコミュニケーションをとって信頼関係を築いていこうという決意が込められています。
 代表取締役の三ツ堀 裕太さんからのメッセージは「失敗を恐れず常にチャレンジしていくこと。それを続けることにより、きっといつか誰かの笑顔を生み出すことができる」。
 主な事業内容は、webやロボットアプリケーションの開発 (PepperやSotaの中に入るアプリ) とweb作成、地域を豊かにする社会貢献活動。企業やお客様のビジネスを支える手助けをしているのです。また特色として、「コクリエ」というシェアハウスを立ち上げ、地域の方とつながる活動をしています。

会社見学

 まず私たちが企業を訪れて驚いたのは、働く場所が決まってないことでした。一般的にIT企業と聞くと、オフィスで一人ひとりがパソコンで真剣に作業をするイメージがありますが、ユニキャストでは自分の好きな場所で、自分の好みに合ったパソコンで作業をすることができます。先ほど紹介したシェアハウスの中に事務所があるため、違う人の意見が欲しいときには、入居者に話を聞いてもらうこともできます。
 そして、社員同士また社長と社員同士も仲が良く、意見を言い合ったり考えたりする場がすごく整っています。
 ユニキャストには備品購入制度という福利厚生があり、作業効率を考え自分の好きなパソコンを選び購入することができます。だいたい3〜4台のモニターがあり、自分が作業しやすい自分なりのデスクを作っています。自分にとって最高のデスクで仕事をすることが、仕事の楽しさや仕事効率を上げることに繋がっていると感じました。

 また、フレックスタイム制で出社や退社の時間を調整できるため、集中して負荷がなく仕事できる点が良いと感じました。実際に訪問してみて、お客様の意見に沿ってどうアプリを開発していくか、どう広告すればこの企業の良さを伝えられるかなど、お客様を第一に考え仕事をしていると感じました。社員同士で意見を共有したり、わからないことをみんなで解決しようとしたり、チーム一丸となって一つのことに取り組む姿勢に、この企業の良さを感じることができました。

社長インタビュー

代表取締役
三ツ堀裕太
ひきだし インターン ユニキャスト
――起業しようと思ったきっかけを教えてください。
「私はもともと小さい頃から人に感動を与えるシステムエンジニアになりたいという思いが強くあって。私が小学生の頃に流行したドラクエ3というゲームがあるんですが、その当時は大の大人が発売日前に店の前で並んで待つほどの人気だったんです。ゲームにはこんなにも人を引き付ける力があるんだとその当時思って、そんなゲームを作っている人たちは誰なのかと学校の先生に聞いたところ、『その年でそんなことに気が付くなら、君はゲームなんかやっていないで、プログラマーになりなさい』と言われたんです。それでプログラマーを目指そうと。
 高校生くらいになってくると、当時ゲーム市場が大きくなかったこともあって、どうせだったらゲームよりも影響力の高いテーマパークのアトラクションとか、たくさんの人が楽しく幸せを感じるところに技術力を使いたいなと思って、それがエンジニアでした。
 それで理系に進んで、工学部に入ったんですけど、結局大学に入ってもそんなにスペシャルなコンピューターの勉強ができるわけではないし、経験が積めるわけではなかったので、大学生暇だし会社でも作るかって作ったのが今の会社です。暇だっていうと語弊があるんですけど(笑)。大学の授業だけでは物足りなくて、自分で会社を作って実践的なことをやろうと決めたのがきっかけです。」

――会社を立ち上げる時は独学だったそうですが、今までで一番大変だったことは何ですか?
「あんまり覚えてないな(笑)。そうですね、大変だったことは人材面ですかね。人が去っていくというのはどうしても経験するので、どちらが悪いとは言い切れず、人が入ってくるのはうれしいし、去っていくのはさみしい。精神的にはすごく来るものがあって、そこのコントロールは一時期大変でしたね。
 あとは資金面ですかね。いつまでたってもお金がかかる(笑)。今まで5人でやってきたものを10人、20人にすると考えると、その分当然人件費が増えてくる。そうするとまた稼がなくてはならなくなる。だからその辺のスピードというかペース配分が難しいのかなと。
 逆にみんなが思っているほど会社作るのって難しくなくて、私のときは会社作ったらいいんじゃない?って社会人学生の方に言われて。その日に、近くの本屋で『有限会社の作り方』って本を見つけてこれだ!って思った。そこに書いてあるとおりに書類を作って法務局に提出したら、おめでとうございます、会社できましたよって雰囲気だったので、全然作ること自体は難しくはないです。」

――会社を立ち上げるとき、ご両親から反対はされなかったのですか?
社長「されましたね。家は母子家庭だったんですけど、母親から『いいよ』とは言われたものの『でもせっかく国立の大学院まで出したのに、とりあえずいい会社入ってくれてもいいのに』って言われて。そうだねーって(笑)。結局は起業しちゃいましたけど。」 ひきだし インターン ユニキャスト
――ユニキャストで特色のある制度はありますか?
「インターン採用ですかね。私は就職活動を結婚と捉えているんですね。就職活動で今ポピュラーなのが就活サイトで提示された企業とのマッチングだと思うんです。でもそれって私にはお見合い結婚のように思えて、資料だけを見て互いの人となりを理解しないまま結婚してしまう。これではその後うまくいかなくて当然ですよね。今の結婚は恋愛結婚が主流になっているように、就活にもそれに近いモデルがあってもいいんじゃないかと考え始めて、具体的には交際期間を設けようと思ったわけです。
 その交際期間というのがインターンです。ウチでは新卒採用に関しては長期インターンを経験していなければ採用はしません。目的としては、人と企業のミスマッチを減らすというところにあります。3年以内に辞めてしまう人は、約3人に1人なんですが、これらはそもそも相互理解が足りない結果なんじゃないかなって思うんですよ。ですから、インターンを通してお互いから過度な期待がなくなれば、衝突しないと思うんです。
 弊社のインターンの定義は少し変わっていて、みなさんインターンと聞くと給料が払われないイメージがあるかと思いますが、ウチでは最初から払っています。ではアルバイトと何が違うかというと、入社意欲があるかどうかなんです。そうではないという人は、最初からアルバイト生として定義づけています。仕事の内容もインターン生は将来を見越して、アルバイト生は今できる範囲でと分けるので若干違います。」

社員インタビュー

ソフトウェアエンジニア
鹿島健太郎さん

――この会社にはどのような経緯で入ったのですか?
「インターンをしていた友だちから会社のことを聞き、トライアルインターンに参加しました。その時に、友だちから言われたとおりいい会社だと思いましたし、技術的なことにも興味を持ちました。当時大学院にいたけど、中退して長期インターンから入社という感じですね。」

――どのようなところに仕事のやりがいを感じますか?
「この会社は一人ひとりの役割が多いから一部分だけ関わるのではなくて、提案・開発・納品といった一連のことに関われるところかな。責任感を持てるし、その分達成感を味わえます。」

――逆に、仕事で嫌だなと思うところはありますか。
「う〜ん…。さっき言ったことの逆で、自分はエンジニアだからプログラムだけに関わりたいなと思うときもあります。でもお客様に会ってコメントをもらうのも嬉しいし、刺激にもなりますね。納品後もお客様と関係が続いていくのはいいですね。」

――ユニキャストで特色のある制度はありますか?
「フレックスタイム制度というのがあります。自分である程度は始業・終業時間を決めることができる制度です。これは自分がこの会社に入ろうと思った決め手でもあるかな。」

――会社の雰囲気はどうですか?
「年齢層が若いことかな。若いから相談しやすいし、居心地もいいと思いますよ。面白い人もいるしね(笑)。まあ、若い人だけじゃなくて、たまに他のところから年上の方が来ることもあるけど、それもそれで刺激にもなりますよ。相談してコミュニケーションをとることで『こいつのここはかなわないな』というような得意分野もわかってきますよね。自分が忙しすぎて、どうにもならないときは『ここはこの人に頼もう』『ここは自分で頑張ろう』ってなります。『自分にしかできないことを減らす』って感じかな。」

――仕事に対して何か思っていることはありますか?
「みなさんも仕事のイメージって淡々と上司に言われたことをやるみたいな安定した感じだと思うんですが、これって楽しくないじゃないですか(笑)。」
――そうですね(笑)。
「仕事って一日の時間を割くもの。それなら楽しい方がいいと思うんですよ。仕事は楽しいものであるべきだと思うんですよね。」

――今後の目標などはありますか?
「そうだな…エンジニアとして第一線で活躍していくことかな。」 

コーポレートスタッフ
大内みさきさん

 ――会社に入った経緯を教えてください。
「もともと自分は旅行をするのが好きだったので、旅行関係のところに就職を考えていました。ですが、どこも内定をもらえなかったんですよね。旅行関係をあきらめて、興味がないと思いながらも、地元の企業をたくさん受けても受からなくて。
 そんな時、自分が通っている大学で代表の三ツ堀が非常勤講師をしている授業を受けていて、授業中に就活相談みたいなこともやっていました。自分は学校からもらってきた求人票を片っ端から当時先生の三ツ堀に見せて『ここはどうですか!?』ってやってたんですよ(笑)。その中にはIT系でも初心者歓迎というのもあって。そしたら先生がこっちの業界に興味あるならうちに来てみたら?と誘ってくれて。そこからインターン生として入って入社という感じですね。」

――今の仕事内容を教えてください。
「一番最初の仕事はサポートエンジニアというものをやりました。主に開発する人のサポートをするもので、作ったものをテストしたり、そのマニュアルを作ったり、スケジュールを立てたりしました。また、カスタマーサポートっていうお客様の対応の窓口もやっていました。簡単に言うと、難しい言葉をわかりやすく伝えるという感じですかね。こういう仕事を一年半くらいやって、自分はプログラムを書くというより人と関わる仕事がしたいなと思うようになりました。
 そんな時、三ヶ月に一回副社長と面談するという制度があって話をしたんですよ。そしたら会社の紹介・見学とかの対応とか人事採用の仕事やってみない?って言われて、やります!ってなって(笑)。今の仕事としてはそういうことをしていますね。」

――会社の雰囲気を教えてください。
「そうですね…。みんないい人で親切でとてもいいですね(笑)。インターンのときにも働いている人がとても親切だなって思いました。そしてそこにすぐなじめた感じがして。この人たちとなら自分は仕事を頑張れるんじゃないかって思いましたね。」
――ユニキャストが唯一働きたいなと思った会社になったんですね。
「そうですね。また、インターンで自分は仕事で何をやるかではなくて、誰と働くかが自分の中で大事だと気づけました。」

インターン生(大学院2年生・インターン歴1年4ヵ月)
鈴木俊幸さん

――なぜ長期インターンに参加したのですか?
「大学の研究が終わり、自分も新しいステップに進みたいと考えていた時に、当時ユニキャストでインターンをしていた友人に勧められたことがきっかけです。以前からwebエンジニアという職業には興味がありました。また、他社のインターンは多くが短期のもので、短期では会社への理解を深めるのに時間が足りないのではないかと思ったことも理由の一つです。」

――長期インターンに参加するということは、就職を考えていたのですか?
「考えていませんでしたね。僕の聞き漏らしかもしれないのですが、実はインターンとバイトに分けられているとは知らず。ここに就職するなんて思っていませんでした。
 でも、仕事をするうちに職場環境や業務内容が性に合っていると感じたので、就職を決めました。大企業と違って自分の携わっているプロジェクト全体が見えるのが良いし、社内のフラットな雰囲気も気に入っていて、それも決め手になりましたね。」

――インターンと大学の両立は辛くないですか?
「全くなかったですね。インターンのスケジュールは自分で決められましたし。僕の場合、週2回程度なので、そこまで負荷もないです。仕事が忙しい時は、社員さんがカバーしてくれているので、学校生活に支障はなかったです。」 

――インターンシップで実際に働いてみて、働く前と比べて考え方に変化はありましたか?
「ありましたね。実際に仕事をすると、コミュニケーションの大切さが身に染みて感じられます。社員さんと比べて仕事に対する知識量が違うので、仕事上で分からないことや、協力して欲しいことが多くあります。伝えたいことを正確に相手に伝えられないとやっていけないなと痛感しました。
 また、インターン中は自分と会社との意見のすり合わせが出来る期間なので、会社の求める自分がどういうものなのか分かり、会社に必要な人材に少しは変われたと思います。」

ワークショップ

 今回、ユニキャストで行ったワークショップはシェアハウス「コクリエ」への入居を親に認めてもらえるよう説得するというもの。ここで重要になってくるのは、なぜここに住みたいかを明確にして親の目線を考え説得すること。私たちはまずコクリエの良さを箇条書きで書き出し、そこから今住んでいるところから出て、コクリエに住むメリットを考えました。

 一番大きなメリットは、一人暮らしを始めるところとしてふさわしいという点です。一人暮らしを心配する親に、そこをどう説明するかが大きな鍵になります。私たちはセキュリティが万全である点や併設会社で働く社員の姿が見られて、自分の将来につながる点などを挙げ、そこからコクリエの良さに話を広げました。
 社員に両親役をやってもらいましたが、同じ年頃のこどもがいる社員もいて「いつから住むの?」や「なぜそこに住みたいの?」など考えてなかった質問もたくさん来ました。このワークショップを通じて、この物件のメリットは何か、またそこに住むとどんなメリットがあるのかを明確にしながら説明をしなければいけないことがわかりました。これを通じて、プレゼンテーションなどをする際にも、きちんと自分が話したい軸を決めて、相手が何を求めているのか、しっかり解釈することが大事だと感じました。

学生の感想

菅谷 佳絵英
ひきだし インターン 菅谷
 IT企業は真面目な人が多く会話がない、そして一人ひとり意識がすごく高く、黙々と作業をするイメージがありましたが、全く想像とは逆でした。オフィスで静かに仕事をしている方や、リビングスペースで話しながら、そして食べながら仕事をしている方もいて、そんなにリラックスしながら仕事をしている会社があることに驚きました。なぜそんなにリラックスしながら仕事をしているのか聞いたところ、楽しく仕事をしないと続かないし、やる気が出なくて、いい企画や提案ができないんじゃないかという考えで、私はとても納得しました。
 そして、社長がコミュニケーションを大事にしていることも知り、会社づくりの基本が「楽しさ」「やりがいのある仕事」なのだと感じました。実際に見る前と後ではすごく考え方が変わりました。
 社長は学生ベンチャーとしてこの会社を設立しました。自分で企画を提案したり、自分から行動したりしないと何も始まらないということが、この企業を見て思ったことです。
 今、インターンする会社をネットの情報だけで選び、先入観で業種や企業を選んでいる学生が多く、私もその1人でしたが、まず自分の目で企業を見て見学してから決めることが大事だと考えました。頭で悩んでいるだけではなく、まずは自分から行動を起こそう!!

谷田部成美
ひきだし インターン 谷田部

 最初は「え? IT企業? 堅そう…」というイメージしかありませんでした。ですが、実際にインタビューや見学をして、イメージが崩れました。一人ひとりが自分のできることを見つけて、それを実行していて仕事を楽しんでいました。自分の中の会社というイメージは上司からこれをやってと言われて、黙々と作業するというものでした。しかし、ユニキャストは一人ひとり自分の軸を持ち作業をしていました。だからこそ、いきいきとしているなという印象も受けました。
 社員にインタビューした時に、社長の考えを理解して信頼し、社長にきちんとついていっていることを感じました。信頼しているからこそ仲も良く、切磋琢磨しているのかなと感じました。大内さんがインタビュー中に「エンジニアはパソコンがあればどこでも仕事ができる」と言っていたとおり、オフィスだけでなくコクリエ内で作業をしている方もいました。こんな風に場所を選べるのも素敵だなと思いました。

小松京介
ひきだし インターン 小松
 今回ユニキャストにお邪魔して、IT企業に対する自分の中のイメージが大きく変わりました。IT企業と聞くと狭い部屋で一日中パソコンに向かい、決められたことを決められた時間内に黙々とこなすイメージが強かったのですが、実際の仕事場を見学させてもらうと全くそんなことはありませんでした。むしろ皆さん活力に満ちていて、仕事を楽しんで取り組んでいるように見えました。
 また、社長が親しみやすいおかげか、社員たちも社長と同じ方向を向いて懸命に仕事に取り組んでいるように見えました。重苦しい空気の中黙々と作業しているわけではないのだと分かりました。自分の中の仕事とは、毎日ただ決められたことを無難にこなすだけの作業であり、楽しむこととは一番かけ離れたものだと思っていました。ユニキャストの明確な目標に向かって、それぞれが役割を全うするという仕事に対する姿勢を見ていると、すごく楽しそうで魅力的な会社に見えました。