【学生取材】根本電興株式会社 ー全文記事ー

きれいな田園風景が広がる中に、きれいな二階建ての建物や倉庫が並んでいます。今回私たちは、茨城県常陸太田市国安町にある根本電興株式会社のオフィスを訪ねました。

企業紹介

 事務所中へ入ると社員の方々が明るくあいさつしてくださり、親しみやすいアットホームな雰囲気と、一方で会社らしいシゴトに熱心に取り組むおごそかな雰囲気が感じられました。オフィスの横には大きな太陽光パネルがあり、これを使って自家発電をして、自社で使う電気を全て自給自足で賄っているそうです。根本電興は電気設備の工事を扱う会社ですが、太陽光発電の設計や施工も行なっています。これは、東日本大震災のときに電気がなくて会社が運営できず、助けを必要としていた地域の方々を助けられなかった反省をもとに、新たに始めた事業なのです。もう一つ、震災をきっかけに新たに展開している事業が非常用電源の開発です。これは、病院や薬局など停電時に電気がないと困る施設のために始めたものです。
 このように、根本電興は、地域に貢献するという気概を持って、精力的に伝統的な電気工事事業と新しい事業に取り組んでいる会社なのです。案内された部屋に入り、根本電興の社長と会長、経理担当者にお会いしました。みなさん、とても真面目そうな熱意溢れる方たちというのが第一印象でした。

会社見学

 電気に関わる事業のほぼ全般を取り扱う企業として、根本電興は地産地消の電気利用を実現しています。近年、食をはじめとした各分野において、自給自足のライフスタイルへの人気が高まっています。エコな暮らしを求めるニーズに適応できるシステムとして、産業用電源装置「お天道さんの恵み」を開発しました。一般に、ソーラーパネルを暮らしの隣に置くとすれば、発電した電気を売るかエネルギーの足しにする程度にとどまることが多いですが、「お天道さんの恵み」を使えば、普段のシゴトをまるまる自然の力で動かすことができるのです。発電のための太陽光パネル、蓄電のための大型バッテリー設備、電力の管理・処理・分配のための電源装置をまとめて動かすことができるので、もっと簡単に、もっとわかりやすく太陽の力を生活に生かせます。根本電興では、「お天道さんの恵み」を実用し、照明や空調その他にいたる日々のオフィスワークにかかる電力を賄っています。天気が良ければ電気を貯めて、そうでなければ貯めた電気を使うというスタイルによって自然とのかかわりが感じられ、また環境への配慮を意識することができるため、よりのびのびと、そしていきいきとした働き方を叶える一つのキッカケがつくられています。

社長インタビュー

代表取締役
根本暁生さん

取締役会長
根本正人さん

 根本暁生社長はとても真面目な方、根本正人会長は優しい方で、とても真摯に質問に答えていただきました。

――まずは、このシゴトのやりがいはなんですか?
社長「工事を終えて、建物に電気を送れたときですね。エアコン、照明、電話などが使えるようになった瞬間、そして、それをお客様から『良かった。ありがとう』と言ってもらえたときは嬉しいですね。」

会長「このシゴトのやりがいはホステスさんと同じですよ(笑)。〇〇会社の△△さんに担当してもらえるなら工事をお願いしたいと言われると、本人も嬉しいし経営側としても嬉しい。」

社長「リピーターですね。数ある中で当社を選んでいただけるということが嬉しいです。また、お客さまに対して求められたものを提供できたということが嬉しいです。

――なるほど。確かに、地域に必要とされリピーターが多い会社は経営が安定しますし、私たち学生から見てもとても魅力的です。次に、この会社の強みは何でしょうか?

社長「一つ目に同業他社とは違うことに取り組んでいるということです。太陽光発電や非常用電源などの開発、販売。そして、二つ目に社員が真面目で同じ質のサービスを提供できているため、お客様に感謝していただけているということです。70年続けている中でどんどんお客様の信頼を積み重ねている。そこが老舗の強みです。」

会長「私からは、社員が確実に成長できていることですかね。また、新入社員が来ても先輩社員たちが馴染ませようと動いてくれる。良い意味で家族的な雰囲気があるのが強みです。」

社長「付け加えさせていただくと、弊社は平均年齢が若い。だいたい計算しますと私と同じ40歳ぐらいで、20代・30代が半分います。同業者では年配の方が多いので、若い力かあるというのは、他社からも言われる弊社の強みです。」

――若くてアットホームな雰囲気の会社は、私たち学生から見てもとても働きやすい会社だなと感じます!続いて、女性社員はどのような業務を行っていますか?

社長「主に総務関係のシゴトです。書類作りが主でしょうか。ただ、数年前には女性で技術職として採用した方がいました。5、6年続けておられましたが、パソコンで工事の図面を作り作業を進めるシゴトをしていただいていました。」

会長「彼女は第2種の電気工事の資格も取られまして、非常に頑張っていました。ただ、北茨城から通っておられて辞めてしまいましたが、ぜひまた、女性の方に入って欲しいなと思います。」

社長「女性は建設業に向いていないと思われがちですが、図面を書いたり手配をしたり女性の方が優れている仕事がたくさんあります。ぜひ、女性の方も雇用させていただきたいです。」

会長「女性が現場監督をされていることも、少ないですが業界ではあります。
女性が指示をすると、逆らう男性はいませんよ(笑)。」

社長「実際、女性が現場監督の方がうまく回るというのはありますよ。女性の社会進出が叫ばれる中で、女性が進出できるというところは、この業界の伸びしろだと感じています。」

――そうなんですね。女性も男性に負けずに技術職として働いていける。女子学生からしてもすごく魅力的です。最後に、これから人材を採用するにあたって、何か新入社員に求める条件はありますか?

社長「真面目で心身ともに健康でやる気のある方ならば、誰でも広くお待ちしています。」

会長「去年から、工業高校だけでなく普通高校や農業高校にも求人を出しているんです。会社に入って、シゴトをしながら勉強させて育てていきたいと思っているので。」

社長「付け加えさせていただくと、大卒の方も募集させていただいています。なかなか数は少ないですが、大卒の方は現場監督からスタート。私もそうでしたが、新人なのに「監督さん」と呼ばれる。そういったことは他の業種にはないことです。わからないことも多いと思いますが、是非シゴトにプライドを持ってやりがいを感じていただきたいですね。」

会長「大卒の方が入ってきてくれるような良い会社にしたい。これが今の目標の一つでもありますね。」

――なるほど。高卒でも大卒でも何か資格を持っているかにも関わらず勉強しながら働ける職場、多様なキャリアの人が働き、若手が成長できる職場はとても魅力的です!

社員インタビュー

 施工の現場で電気工事の監督を務める2人の社員の方にお話を伺いました。

大内崇仙さん

電気系の大学を卒業した後、根本電興に入社し、現場代理人として働いています。趣味は音楽のライブ観戦。

――まずは、現場代理人という仕事は具体的にどんなことをしていますか?
「そうですね。建築家の方と打ち合わせをして、どのように工事を進めていくかを決めています。図面を作って説明し、材料の準備や工程のすり合わせをすることで、現場の状況に合わせて工事をスムーズに進められるように取り組んでいます。」

――そうなんですか。これまでどのような住宅の電気設備に関わってきましたか?
「規模としてはとても幅広いですね。学校のような大きな施設だと半年から1年という長い時間をかけて行いますし、エアコンの設置のための工事であれば1カ月ほどのこともあります。」

――自分のシゴトで作り上げた建物が、実際に見える形で使われるのはとても嬉しいですね。
「そうなんです。結婚式場を作ったことがあったのですが、ここで友人が式を挙げたときには大きな喜びを感じました。」

――そうですよね。電気設備の工事というと、扱う作業はとても多様だとお聞きしましたが、実際に働いてみてどのように感じていますか?
「発見と気付きが絶えませんね。配線を通すための穴掘りから作業が始まることもあり、働くまでは想像できなかった作業も多いです。現場代理人として作業を監督する立場でも、各項目の作業工程をすり合わせながら計画したり、材料の無駄を削減するように手配を整えるなど、現場に出てやっと気づくことも多くあります。」

――そうなんですか。でも、はじめはきっと大変だったのではありませんか?
「大変でした(笑)。新人のときは上司が同伴して現場に出て、シゴトの内容ややり方についてたくさん教わりましたが、入社して7年になる今は1人で現場に出ています。

――そうなんですね。1人で現場に出るようになったとき、不安ではありませんでしたか?
「めちゃくちゃ不安でした(笑)。現場では自分よりもずっと経験のある職人とやり取りするわけですから、わからないこともたくさん出てきました。それについては会社に戻ってから上司に相談できていたので、とても勉強になりましたね。逆を言えば、経験豊富な職人から『監督さん、ここはどうしたらいいんだ?』と聞かれることが、シゴトに対する誇らしさにつながったりしました。」

――なるほど。では、大内さんにとって、根本電興の魅力はどういったところにありますか?
「何よりも居心地の良さが大きいです。仲がいいので、何か業務上で困ったことがあっても相談しやすいし、休みの日でも助けてくれたりするので。その分、自分も休みの日でも協力するか!という気分にもなりやすいですね(笑)。」

――そうなんですね。少し話は変わるんですが、先ほど先輩後輩のお話があったのでお伺いします。将来どんな人と一緒に働きたいですか?
「とても個人的な意見になりますが、趣味が合う人と働けたらいいなあと思います(笑)。働いているときにも割とプライベートでくだけた話をすることも多いので、ちょっとでもフランクに話せたらいいなあとは思ってます。」

――それは大事な条件ですね(笑)。では、大内さんから見た社長や会長はどんな方ですか?
「社長はとても真面目な人柄ですね。聞けばきちんと答えてくれるので、とてもいい上司です。
会長はひたすらに優しいですね。何か困ったときは優しくフォローしてくれるので、とてもありがたいです。こういった方たちが作り上げたこの会社で働けるのは、とても満足感が大きいです。」

――そうなんですね。最後に、ご自身の学生時代から今につながっていることや、今の学生に向けてメッセージがあればお願いします。
「自分は電気系の課程を出ているので、そこで学んだ内容は今しっかり生きています。取得した資格も、私にとっては大きな助けになっています。メッセージというか、就活は早めにしておいて損はないと僕は思っています。自分が何をしたいのか、ぼんやりでもいいので少しずつ方向性を考えていくと良いのではないでしょうか。居心地の良い職場で働けるのはとても気持ちが良いので、良い会社を探してください。まとまらないですがこれくらいですかね。(笑)」 

和知 正憲さん

県内の工業高校を卒業し、今は根本電興の工事部で現場代理人として働いている。ひときわ明るい性格で、一説には霊も寄り付かないほどらしい。

――まず、和知さんがシゴトの中で一番大きなやりがいを得られるのはいつでしょうか?
「シゴトの内容としては、メインはデスクワークで、現場の進行のために図面を作成したり、各所と話をして調整を行うことが多いです。また、作業工程の管理もおこないます。やりがいが大きいのは建物の電気設備がすべて整った状態になったとき、言わば電気がついて明るくなったときですね。今までのシゴトが実を結んだ瞬間なので、やっぱりこれは嬉しいです。」

――そうなんですね。何かエピソードはあったりしますか?
「あとは工場の電気関係を設定した後、機械に電源が入って稼働し始めたときは嬉しいです。機械には電気は欠かせないので、こういうときは特に『ああ電気ってすげえなあ』と改めて感じます。それと、住宅の中の機械の故障を直したときにもやりがいは大きいです。使う人が『ああ、直った、良かった』と安心した顔になったり、あとは率直に『ありがとう』と言われるので。こういうのは何度やっても嬉しいです。」

――それは嬉しいですね。ちなみに、どういったことで電気の業界に入られたのですか?
「もともと高校からそういった学問分野というか課程で勉強してたので、興味はありました。あとは電気っていつの時代になってもきっと欠かせないだろうし、永続性を感じたというものもあります。ですので、覚えることはとても楽しいです。」

――なるほど。では、少し話は変わりますが、さきほど大内さんから先輩後輩間でのやりとりや会社内の雰囲気について伺いましたが、和知さんはどう感じていますか?
「私も居心地の良さはとても強く感じています。 困ったことがあっても仲間や先輩に聞きやすいし、情報の伝達もスムーズです。また、長と話をする機会も多いです。社長はだいたい社長室ではなく私と同じ事務所のデスクで仕事をしているので、話をしないことはまずないです(笑)。こうしたことから社内の雰囲気も良くなるし、魅力につながっていると思います。よく面倒を見て社員一人ひとりに気を配れると、人が辞めていかない会社につながるというのが、会社全体の思いなのでね。」

――そうなんですね。ところで、お休みは取りたいときに取れているのですか?
「基本的には日曜はお休みで、週休は隔週で1日か2日取れます。 そのときは釣りに行ったりしてますね。あとは家族との時間を大切にしています。大事にしているのは家に仕事を持ち込まないことです。能率も下がるし、家にも良くないと思うので。(笑)」

――それは大事ですね。では、逆に先輩として今後どんな姿になりたいですか?
「やはり、今の社長のような先輩像を受け継ぎたいですね。社長とは、彼がまだ社長に就任する前、次長だった頃から一緒に仕事をしていましたが、人情があって前向きでミスを引きずらないのは今と同じでした。社長の人間性がこの会社のいい雰囲気を作っていると思うので、私も近づきたいと思っています。」

――なるほど。最後に、和知さんがこの先達成したいことはありますか?
「そうですね。まずは相談されやすい上司になりたいと思います。私自身そうやって育てられたので、いろいろ話をしながらいい上司になりたいですね(笑)。あとは、大きな工事を成し遂げたいです。例えば水族館とか。」

――水族館ですか!水族館が好きとか、お客さんに楽しんでもらえるような空間を作り上げたいというか、そういった思いからでしょうか?
「それもあるのですが、実は水族館って電気制御のすべてが凝縮されたような施設なんですよ。挑戦してみたい!スイッチ1つで多くの機械が連動して動くので、あれを作り上げてみたいと思います。家族で行っても、水槽の中よりも天井や裏側の機械や配線ばかり気になってしまうくらいです(笑)。ちなみに、病院も電気工事の結晶のような施設なんですよ。こういった建物をいつか作り上げてみたいですね。」

――なるほど、そうなんですね。ご自身の生活や将来やりたいことと今のシゴトをうまく組み合わせていらっしゃるのは、とてもステキだと思います。それらをこの温かい雰囲気の会社で実践されているのは、いいなと思いました。

学生の感想

小川文太
ひきだし インターン 小川文太

 根本電興さんでお話を伺って、やはり社内の雰囲気の温かさというのは大切であると感じました。社長から部下まで先輩後輩間の連携の良さは、シゴトの成果を高めるだけでなく気持ちの良い働き方を実現しているのだと思います。好きなことをシゴトにしたからこそ、新しいことにも挑戦するモチベーションが生まれるのではないでしょうか。根本電興は、アットホームな雰囲気の中、みんなそれぞれの思いを合わせて一つのシゴトに取り組む、とても良い企業でした!

小林巧人
ひきだし インターン 小林巧人

 人と地域を大切にして仕事にやりがいを持って取り組むという社風に触れて、働くことへの意識が変わり、就活に向けて意欲を高めることができました。本当にありがとうございました!