【学生取材】磯﨑自動車工業株式会社 ー全文記事ー

磯﨑自動車 集合写真 旅する冊子 取材インターン

自動車の会社は、ただ車を売っている所だと思っていませんか?
『クルマを通じて「人」と「社会」を幸せにする』をモットーにしている磯﨑自﨑自動車工業さんを取材してきました!

会社紹介

磯﨑自動車工業株式会社は1972年(昭和47年)10月、鈑金整備業として茨城県ひたちなか市で創業しました。現在の社長は、2代目の磯﨑拓紀さんです。
『クルマを通じて「人」と「社会」を幸せにする』をモットーに、社長はまず社員を幸せにすることを目標にしています。社員が幸せであることが、お客様を幸せにすることへ繋がっていくと考えているからです。
創業当初は、車のへこみや傷といった外装を修理する鈑金整備を主としていました。しかし、時代の流れを読み、社会の需要に応じて事業を拡大しています。スズキアリーナ正規ディーラー、自動車の販売・リース、レンタカー、整備・鈑金、保険代理店など、車を軸に周辺事業にも取り組んでいます。
2019年8月時点で、従業員数は53名、年商20億5000万円で、県内で4番目の売上実績を誇っています。
本社のあるひたちなか市だけでなく、水戸や日立などの地域にも出店しています。
今後は県北地域に、もっとお店を展開していこうと検討しているそうです。
磯﨑自動車 集合写真 旅する冊子 取材インターン 集合写真外観

会社見学

今回、私たちは、販売されている約250台の車と、点検・修理・鈑金のそれぞれの作業工程、店舗内の様子を見せていただきました。販売する車は、スタッフの方が選び抜いたこだわりの車ばかりだそうです。
磯﨑自動車 集合写真 旅する冊子 取材インターン 販売車
作業の様子を見て、車一台に想像していたよりも、多くの時間がかけられていることに驚きました。また同時に、どの工程のスタッフも一台一台丁寧に向き合って作業されていることが伝わってきました。
磯﨑自動車 集合写真 旅する冊子 取材インターン 整備
店舗には、最短45分で終わるマッハ車検の様子が、映像で見られるスペースがありました 。二画面ついており、左側は普通のTV画面、右側はマッハ車検専用の画面となっていました。車検を待っている間に、今自分の車が何の点検を受けているかをチェックできるとのこと。車の状況を見て安心でき、時間も潰せて一石二鳥。さらに待ち時間に嬉しいドリンクサービスもあるなど、お客様のことを考え抜いたからこその配慮がたくさん見られました。
磯﨑自動車 集合写真 旅する冊子 取材インターン 車検

社長インタビュー

代表取締役 磯﨑拓紀さん

会社の雰囲気づくりのために行っていることや、社員に対する想いについて伺いました。特に印象に残ったのは、「社員・お客さん・会社」それぞれの満足についてのお話です。磯﨑自動車 集合写真 旅する冊子 取材インターン

――会社をより良くするために心がけていることはありますか?
「お客さんが満足することと同じくらい、あるいはそれ以上に社員が満足することを考えています。その2つが揃えば、会社の利益にも繋がるはずなので。」

――社員さんが満足するための環境づくりにかなり重きを置かれているのですね。具体的にはどのようなことをされているのでしょうか?
「仕事面でいうと、洗車機を設置することで圧倒的に社員の作業が楽になりました。あとは、現在民泊事業の準備をしていて、次は社員食堂を作れたらいいなと考えています。」

――社内の雰囲気を良くするためにしていることはありますか?
「社内イベントを多く開催することですかね。社員旅行やバーベキュー、社内運動会などもやります。他には、スタッフと夢やビジョンを共有して、その人のライフプランを一緒に考えたりしていますね。仕事だけじゃなくて、人間としても成長してほしいと思っています。」

――接客でこだわっていることはありますか?
「良いお客さんに良いサービスを提供したいという想いがあるので、お客さんを絞ることを考えています。そうすることで、会社の雰囲気を良くすることができるとも考えています。」

 

社員インタビュー

1人目:
本社・フロントリーダー 深作麗美さん

美容関係の仕事から転職して、入社2年目。フロントリーダーを任されています。
インタビューでは、石島さんという女性店長の名前が何度も出てきたことが印象的でした。磯﨑自動車 旅する冊子 取材インターン 深作さん――仕事のやりがいは何ですか?
お客様に、自分が勧めた商品を買っていただくことです。商品の説明をしていると自分の勉強にもなりますし、お客様の喜ぶ顔が見られると嬉しいですね。

――接客の仕事で心掛けていることはありますか?
ただ説明するのではなく、お客様とコミュニケーションを取ること、笑顔で接客することを意識しています。あと、良いお客様に良いモノを買って欲しいという気持ちがあるので、オススメだと思うことは積極的にお伝えするようにしています。基本的に「言うのはタダ」だと思っているので(笑)

――そういった接客のスキルは、ご自身の経験からくるものですか?
それもありますが、桜の牧店に務める石島さんという女性店長の存在が大きいですね。石島店長の接客を見て、自分に足りないものを見つけていました。お客様とのコミュニケーションを意識したのも、石島店長がきっかけです。

――これからの目標はありますか?
私が石島店長を目標にして仕事を頑張ることができたように、誰かの目標とされるような人になりたいですね。あとは…大きい車が欲しいです(笑)。

 

2人目:
スズキアリーナ水戸桜の牧店・副店長 村山拓謙さん

入社して7年目、スズキアリーナ水戸桜の牧店・副店長を任されています。
千葉県にある流通経済大学を卒業後、地元である水戸に戻ってきました。
磯﨑自動車 旅する冊子 取材インターン 村山さん
――この会社を選んだ理由を教えてください 。
水戸出身で大学進学のために他県に出ていました。家庭の事情があり、どうしても茨城で就職したかったことと、車が好きという理由で、水戸市を中心に働ける職場を探していました。面接の時に磯﨑社長に評価されて、入社したんです。メーカー問わず車が好きで、大学時代にはローンを勝手に組んで、車を買いました(笑) いろいろなメーカーを取り扱っている磯﨑自動車に就職できたことは良かったですね。

 ――お客様と関わる時に大切にしていることは何ですか ?
お客様の求めているものが何かを探ることですね。年齢層に合わせて話題を選んでいます。何気ない日常的な会話や、趣味の釣りの話で、お客様と波長が合った時は盛り上がります。

 ――この会社に入ってどんなことが嬉しかったですか?
初めて自分一人で車を売った時は嬉しかったです。入社してすぐは先輩社員と一緒にお客様の前に立ち、車の説明をしていました。研修期間を終え、独り立ちしてお客様と真摯に向き合い、車の購入に至ったときは感動しました。

 ――これから仕事でどんなことがしたいですか?
社長と面談して自分の将来設計を考える機会があって。最初は家庭もあるし、家を購入しようかと思っていたのですが(笑) 3000万円の家を、35歳の時に立てる…と具体的にお金や時期を落とし込んでいった時、家はまだいいかなと思って。今は趣味の釣りで使う400万円のバスボートを買いたいなと思っています。

 ――社長と夢や将来のビジョンを相談するのですね…!どう思っていますか?
社員の中でも、ある程度任される立場になると面談があります。社長と話すことで、自分の立ち位置を確認できたり、今後の展望を少しリメイクしたりすることができて、とても良いです。 

 

3人目:
本社・サービス部部長 齋藤泰志さん

本社工場に勤めて28年の大ベテラン。今ではサービス部部長としての高い技術で、新入社員の育成やフォローに励んでいます。
磯﨑自動車 旅する冊子 取材インターン 齊藤さん――この仕事に就いた経緯を聞かせてください。
親戚の紹介で入社しました。小学校の卒業文集に、自動車整備士になると書いたくらい自転車やバイク、車をいじることが好きでした。もともと、手先の器用な父が、車をいじっていたことへの憧れもあったのでしょう。中学の時は自転車を、高校の時は原付を独学で学んでいました。入社してから、本格的に整備の仕事を始めました。

――この仕事のやりがいは何ですか?
仕事としてお客様の車を預かることは、命を預かることでもあるから責任は重い。けれども、技術としてできることを増やしていくことは楽しいですね。また、故障した車が直ってお客様に「ありがとう」と感謝の言葉を言われた時は嬉しかったです。

――仕事をするうえで大事にしていることは何ですか?
職場での人間関係です。1日に1回は必ず、工場勤務の人と話すようにしています。毎日話をしていたら、調子がいいとか落ち込んでいるとか分かるでしょう?円滑なコミュニケーションは、チームワークのためには欠かせません。

――どんな人と仕事をしたいですか?
嘘をつかない素直な人ですね。仕事を任せて、「できている?」と進捗を尋ねた時に、できていないのに、ごまかして期日になってしまうのは困る。できない、分からないなら素直に人に聞く。分からないことは、人に頼ってやり方を覚えていくしかないですね。正直で人を頼ることができる人と一緒に仕事がしたいです。

――部長として人を育てる立場にありますが、どんなことに注意して若い人と向き合っていますか?
頭ごなしに言わない、伝えないということです。そうすると反発感を生んで意欲が低くなってしまうでしょう?昔は、何にも教えてもらえなかった。私も人に教わって育っていません。けれども、今は時代に合わせて若い人に教えてあげようという気持ちでいます。

 

ワークショップ

今回、磯﨑自動車で行ったワークショップは、営業のロールプレイングです。私たちがお客さんになって、社員さんに営業をしてもらいました。
まず、2グループに分かれて、どんな車が欲しいかという希望条件をまとめました。例えば、軽自動車がいい、中古で予算は100万円などです。ロールプレイでは、10個以上とかなり多くの条件を挙げましたが、ひとつひとつの条件を慎重に見ながら、抜け漏れが無いように考えてくださりました。
自動運転システムが搭載されていること、似たような見た目の車でも値段が異なる理由など、パンフレットを使って、優しく丁寧に説明していただきました。
磯﨑自動車 旅する冊子 取材インターン ワークショップ
専門用語の知識があまりない私たちでも、分かりやすかったです。
形や大きさは条件に合っているものの価格が少し高い車が見つかると、リースという毎月少額から支払いができるシステムを紹介して下さり、価格の問題も無事解決。皆が満足する結論が出せました。
免許がないメンバーにも、車の話を分かりやすく噛み砕いて説明。私たちのニーズや生活を聞いた上で、車に関する豊富な知識の中から提案していただき、真剣さを間近で感じることができました。とても貴重な経験ができ、嬉しくなりました。お客さんになってみて、磯﨑自動車のお客様を大切にする姿勢を実感しました。

 

学生の感想

安藤はづき(あんどぅ)

安藤はづき
 正直に言って、車は乗れればいいというのがインタビューに行くまでの私の考えでした。しかし、社長や社員さんなど、カーライフをサポートする人たちの熱い想い。より良く、より快適に生活して欲しいという想いから、良い車、良い商品を勧めていることを聞いて、仕事に対する誇りを感じました。
 働くことは、生活するためのお金を稼ぐ手段でしかない。働く場所や職場周辺にある商業施設を中心に仕事を選ぼうと、話を聞くまでは思っていました。しかし、インタビューでは、職場の人間関係を大事にされることを感じました。これからは、どんな人と働きたいか、といった人間関係を具体的に考えていこうと思いました。
磯﨑自動車さんのように、社員を大事にして、自己成長できる場がある会社に勤めたいと思いました。見学できて良かったです。

 

鈴木咲羽(さわ)

鈴木さわ
 私のこれまでの「企業」というイメージは、極端に言うと「お客様を最優先に考え、その為なら残業も厭わない」というものでした。中にはそういう会社もあるのかもしれないけれど、磯﨑自﨑動車さんは、そうではないことを社長のお話から感じ取りました。
 会社の事業内容や評価方法は、社員さんが働きやすい環境を作るためのもの。社内や地域でのイベントを多く開催することでwin-winな関係を築く。「社員の満足」「顧客の満足」「会社の利益」この3つを等しく重要だと考える社長ならではの考えだと思いました。
 会社見学やインタビューを通して、そんな社長の元で働いている方達は、皆自分の仕事に誇りを持ち、楽しく仕事をしていることが伝わってきました。
 ワークショップは、欲しい車の条件を挙げると、すぐに合った車を見せて下さいました。値段が少し高いとなると、違った支払いを提案して下さるなど、実際に車を買うイメージが湧くくらい実践的なものでした。車について詳しく知らない私たちにも、一から丁寧に説明いただき、普段もきっとこんな風に丁寧にお仕事をされているのだろうなと思いました。
 こんな素敵な会社を知ることができて良かったです。