茨大iOPラボ「就活はなぜ”モヤる”のか」リポート

就活 モヤる 茨大 iOPラボ

iOPラボで、またトーク会を開きました。タイトルは「就活はなぜ”モヤる”のか」。このタイトルをつけたものの、そんなにモヤってるのか?何にモヤってるのか?はよく分かっていませんでした。結果としては、参加者と将来や就活について話していく会となりました。

就活のゴールはどこなのか?

今回は、えぽっくの若松と(株)ユーゴーの人材開発室室長である稲野辺さんとの対談型で行います。参加者はiOPラボ常連メンバーと、初参加となる2年生、就活を控える3年生とバラエティに富みました。
3年生は、就活に対する漠然とした不安や、就活に備えて資格をとる違和感などを感じていました。

自己紹介の後は、稲野辺さんから就活ではあまり語られない大事な提起してもらいます。

多くの人は就活をして、有名な会社に行きたい。それは周りからの評価、安定性、給与など、様々な要因があると思います。今は、人生80年、働く期間はその半分の40年くらいになります。それなのに、就活って長くても2年程度しかやらない。それって、そもそも短いよね?

みんなどこに入社するかをゴールに考えている。でも、入社してから40年間働くことを考えると、「就職してから、やりたいことができるか。」「入社後実現できることはなにか。」こっちの方が大事じゃない?
多くの就活は、ナビサイトから条件を入れていって、合いそうなところを探していく。そうじゃなくて、好きなものから考えた方がいいんじゃないか?

なるほど。働く期間の1/20の時間しか、働くことを考えてないとしたら、たしかに短いかもしれない。それに、ラインナップされた仕事の中からしか好きなものを選べないという固定概念はあるな。
会社に入ることが目的だと「就社」かもしれない。これは仕事に就くという意味の「就職」とは異なっている。
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就活に型はあるのか?

ここで、参加者に「就活」のイメージを聞いてみます。「大変・つらい」、「遠出・冒険」、「終わりがない感じ」、「均一化と個性」などの意見がでてきました。

よく分からないからこその、不安や恐怖を表す言葉がでてきます。
「大変・つらい」には、何かを決めること自体のストレスが強いそうです。特に学生のうちは、なんとなく勉強して大学に入るというパターンも多いし、家族や友達の勧めで決めることも多いです。たくさんある会社の中から働く会社を決めることは、大きな決断になりますね。それは「遠出・冒険」という単語とも繋がっています。

「終わりがない感じ」は、就職した後も「この会社で合っているのかな?」と考えて、ずっと探していそうという意見。「隣の芝は青く見える」とよく言いますが、悩んだり目移りはしてしまうものです。
僕は学生時代に、船井総合研究所というコンサルティング会社と就活支援に取り組んでいました。船井イズムの1つに「天職発想」というものがあります。これは自分がやっている仕事が向いていると思い、一生懸命に取り組むこと。会社の愚痴を言って仕事の手を抜くのは、誰も得をしません。スキルを高めて、他の会社に転職する機会を掴める方が得です。

「均一化と個性」は、画一化したリクルートスーツや面接を求められるのに、個性を出さなくちゃいけないという意見。選考対策に載っているエントリーシート通りに書くと落ちるという笑い話があります。形式的なやり方の中でいかに個性を発揮するかが試されます。ユーゴーさんでは、クリーニング屋ということもあり、私服での選考だそうです。無人島で合宿するなど、ベンチャーを中心に型にはまらない選考は増えてきてます。

ここで稲野辺さんが行った就活を話してもらいます。

車が好きだったから、ディーラーになろうと思って就活してました。でも、全部落ちた。面接官に見抜かれてしまう。次に、「お金持ちになって良い車に乗りたい。なら社長だ!」っていう単純な考えで切り替えました。それから中小企業に目を向けて就活するようになりました。

就活しながら軌道修正していくのは当たり前だと思います。僕も一度は研究職での就職をしていましたが、途中で全部やめました。しかも、ナビサイトから、就活コミュニティや信頼できるリクルーターを活用するという方法に変えました。
ちなみに他に参加する社会人の方は、「たまたま大学の先生から声がかかって。」「就活してなくて、4年の夏に、たまたま募集していた会社に受かって。」など、王道の就活をしてきた方は少なめです。笑
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働く人と暮らし方

就活する時に大事にしたいことは何かを聞いてみます。
安定」「休み」「仕事の面白さ」「裁量」「給与」「社風」「働く人」「副業」「目指す社会像」などが出てきていました。
この辺りはやはり多様なんですが、一番多いのは「働く人」、続いて「仕事の面白さ」「休み」などが入ってきます。

ここで若松から「働く人」について。

就活中に、採用担当者だけでなく、いろんな社員と話をすることはいいですね。でも、たまに社員との接点を持たせてくれない会社があります。その会社は、ヤバい可能性が高い。何かを隠したいとか、会社のことを語れる社員がいないってことがあるから。

ユーゴーさんでは、選考に入る前にたくさんの社員さんと会わせるそうです。結局ここでミスマッチがあれば、すぐに辞めてしまうことになるので。
続けて若松から。

採用担当者にノルマがあると、とりあえず内定を出してしまう。でも、現場では「こういう社員が欲しい」というギャップが出ることはありますよね。

これに関連して、学生から「営業とか、会社でノルマがあるかって教えてくれますか?」との質問。稲野辺さんは、

ノルマのことを教えてくれる会社はあまりないかもしれない。
ちなみに、うちの会社はノルマがないです。採用でも、何人内定だすというのはなく、「何人までだったら採用していいよ。」って言われてます。笑

そもそも、うちの会社は社内で評価を決めるというより、お客様が決めると考えています。一般消費者向けサービスをしている会社の特徴かもしれません。

追加で、「どこで働くか」地域から選ぶということも考えました。聞いてみると、茨城または地元で就活したい人、都内で働きたい人の両方がいます。
「今までずっと地方だから、都内で挑戦してみたい」という学生。逆に「東京は怖い」「満員電車が辛い」という学生もいます。首都圏で高校までを過ごした学生は、電車は慣れるから問題ないと口を揃えて言っていました。働くことも含めて、どういう暮らしをしたいのかも大事な観点だと思います。

最後に、就職を経験した社会人側の意見として、自分が何を大切にしたいのか軸を決めること、そして最後の決め手は感性。最終的には、自分の感性を信じて決めるしかないです。40年に渡る働く期間のうち、やり直すことはできます。まずは、就活にこだわらず、色々な経験をして感性を磨きましょう

まとめとおまけ

参加者からの感想の一部です。
「自分が人生を考える上で大切となる価値観を見つめなおすことができたと思う。」
「就活は本当に嫌でやりたくない、めんどくさいと思っていましたが、自分の人生の1部であるし、未来の自分を考えながら楽しく活動していきたいという気持ちになれました。」
「就活のためではなくて、その先の働くことを意識してみたいと思います。」
みんなが大切に考える就活の軸が知れてよかった。会社を1つに決めることは終わりではないと気づいた。」

イベントでは、就活が間近に控えた3年生だけでなく、まだちょっと先の1,2年生と、就活を経験した社会人が参加しました。それぞれの立場から質問したり、意見を出せたからこその深みのある会になったと思います。

最後におまけです。
「就活はなぜ”モヤる”のか」を、期間限定(3月まで)でどこでも開けるようにしています!

ご興味ある方、ご連絡ください!