12/28(金)地方で起業するとは? vol.6 参加リポート

地方 起業 水戸

昨年の年の瀬、12月28日(金)「地方で起業するとは? vol.6」に参加しました!堀下さんと加藤さんのトークが超高速だったのですが、、簡単に内容をまとめました。

「地方で起業するとは?」

イベントについて、簡単にご紹介します。
↓Facebookのイベントページからの引用です。

”地方”と言われる水戸で起業支援を行っている
コワーキングスペース水戸Wagtailにて「地方で起業するとは?」をテーマにイベントを開催!

年間350本以上のイベントを企画運営し、自身も多く登壇されている筑波大学すぐそばのコワーキングプレイスTsukuba Place Lab 代表 堀下 恭平 (Kyohei Horishita) 氏をモデレーターに迎え、毎回 ”地方で起業するとは?” を考え行動を続けている方をゲストにお越しいただくトークイベントです!

「地方で起業するとは?」は、vol.0から始まっているので、そこからカウントすると7回目。月1回ゲストをお呼びして、堀下さんとトークするイベントです。
タイトルに”起業”とありますが、地域で活動する方と繋がることを意識しているそうです。

ゲスト:加藤 喬大さん

今回は、博報堂で働く傍ら、岡山県西粟倉村で日本初となるブロックチェーンを使ったまちづくりを仕掛けたり、横綱稀勢の里の応援HP #大丈夫稀勢の里http://daijobu-kisenosato.com/)を作成したりと全国で活躍している 加藤 喬大 (Takahiro Kato) 氏をお迎えし、ブロックチェーンや地方創生に焦点を充てたお話を伺います。

えぽっくは、NPO法人ETIC.さんが運営するチャレンジ・コミュニティ・プロジェクトに参画しています。西粟倉の株式会社A0さんも、同様に参画してることもあって、知り合いがおります。ですので、村がICOしたニュースは知っていて、これを仕掛けていたのか!と。
あと、個人的には相撲好きなので、大丈夫稀勢の里も知ってます。(先日の引退でとてもショックを受けております。。)

加藤 喬大(たかひろ)さんプロフィール

1991年6月4日生まれ。茨城県水戸市出身。
【やっていること】
・博報堂テーマビジネス局(Hakuhodo Blockchain initiative)
・茨城県庁プロモーション戦略チーム
・那珂市・行方市委員会
・落合陽一リーダーシッププログラムSTEAM

【主な関心分野】
・お金に対する価値観の変化(ブロックチェーン・暗号通貨)
・新しい働き方・生き方(副業時代、AI時代)

【博報堂の業務】
・化粧品ブランドの「日中台」リブランディングプロジェクトの主導
・ブロックチェーンや仮想通貨に2016年末に触れて衝撃を受ける
⇒独自で研究を進めながら、社内で有志を募ったり、プライベートでブロックチェーンのプロジェクトに携わったりする。
⇒2018年春に社長室へ突撃し、プレゼン。全社プロジェクト化に成功
⇒Hakuhodo Blockchain Initiative を組織化し、リリース(2018年9月)
 ①「広告×ブロックチェーン」における事業開発
 ②地方創生ICOプロジェクト
 ③都心の街をフィールドにしたブロックチェーンの社会実装プロジェクト

実は、数年前に「いばらき地域づくり人材育成講座」を受けていて、堀下さんと加藤さんも一緒でした。班は違うものの、何かの縁だなと。

イベントリポート

当日は約50名の参加者がいて、過去最高だとか。7回の累計では参加者200名超えたそうです!

仕事納めの日に、すごい熱気です!
待望の一言目は「みんな忘年会大丈夫ですか?」。
笑!

間違えたんでしょ。今なら変えてあげるよ。

まずは堀下さんの自己紹介から。最近の仕事は4つ。
・行政コンサル
・場づくり(グリーンバードつくばTsukuba Place Lab )
・スタートアップの支援(筑波フューチャー・ファンディング
up Tsukuba(つくば駅前のコワーキングスペース)
参加者の方は聞き飽きただろうと、ここまでの人生を振り返ります。
出身は熊本で、転校が多かったそうです。
それが原因で、小さないじめを受けていた。

その頃、人生で印象に残っている言葉を受けます。
美術で使う画板を、赤と青から好きな方を選べた。堀下さんは赤を選んだ。
クラスで男子は堀下さん以外、全員青を選んでいた。
そこで先生に「間違えたんでしょ。今なら変えてあげるよ。」と言われる。
好きな色が赤だったから選んだのに、裏切られた気分だった。
そこが原点となり、「みんなの挑戦を否定しない」「いいね!と言いたい」と思っているそうです。

高校で陸上に熱心に取り組み、体育学部を目指すが失敗。
その後、予備校の先生と出会い、「陸上は栄養や筋肉など生物の知識も必要」だと生物の先生を目指します。

筑波大学に進学し、バイトでは塾講師を始めました。そして、2011年の震災にあいます。その時に気づいたのは、「人は意外とちっぽけ」であり、「人と人との繋がりの中で生かされている」ということ。
人と人が繋がる場所をつくりたいとカフェを始めます。そこから街づくりの仕事をもらうようになり、一時は京都のまちづくり会社へ修行へいきます。街づくりにはプレイヤーが必要。だったら、プレイヤーを増やそうと場づくり(Tsukuba Place Lab)を始めたそうです。

自治体のエストニア化

続いて加藤さんの自己紹介。
ご実家は明利酒造という酒蔵。
今の活動のメインは3つ。
・博報堂
・茨城県庁(営業戦略部)
・筑波大学(STEAMプログラム

ブロックチェーンという技術に可能性を感じており、ブロックチェーンイニシアティブという団体も作ったそうです。ブロックチェーン技術では、ネット上で複製でないことを証明し、不正できない価値を表現できます。この技術を使えば、自治体やコミュニティがお金をつくれます。西粟倉村のICOが1つの事例です。
また、電子国家として有名なエストニアは、約2万円で国籍を取得できます。移住や行くことが難しくても、気持ちを向けることができる。これを応用すれば、仮想茨城県民をつくり、税金を払ってもらうこともできます。新しいふるさと納税の形として注目しているそうです。
STEAMプログラムは、筑波大学の准教授であり、メディアアーティストで、起業家でもある落合陽一さんが提供しています。350万円するプログラムですが、リスクをとって自分の目線を変え複合的な視点を学び、人脈を得ているそうです。

質疑応答「1日1回狂う」

質問:WEB3.0は具体的になんですか?
加藤:ブロックチェーンのことです。1.0はメールのような一方通行のもので、2.0はSNSのような双方向なものです。
子供の頃に、ドラクエの広告を切り抜いて集めていました。今、広告は邪魔なものになってしまった。でも、ブロックチェーンを使って、自分だけの広告があって、それを集めるようになるかもしれない。

質問:コワーキングスペースの収益を教えてください。
堀下:利用料と協賛金です。人が集まる場所であること、コミュニティを価値にしています。
加藤:今年のビジネス書は、タイトルに”コミュニティ”が入っている本が売れています。ヨナヨナエールというビール会社は、お客さんのファンコミュニティがある。そのコミュニティがビールの良さを周りに伝えてくれる。社員とファンの境目がなくなっているんです。

質問:学生時代にやっておけば良かったは何ですか?
加藤:自分がリーダーになる経験。学生の時は、友達も多くて、飲み会とかみんなと群れていました。孤独になることは大事。孤独になると思考が深くなります。

質問:西粟倉で面白かったこと、これからやりたいことは?
加藤:ポストふるさと納税を考えています。人口1500人の村に、3倍のファンがいたら面白い。10万円納税してくれたら、税収が2倍くらいに増えるんです。返礼品が目的ではなく、その地域が好きだから納税するようになります。

質問:キャッシュレス決済をどう思いますか?
加藤:実は茨城って、キャッシュレス決済大国で、全国で2番目です。PayPayは100億円配ることで市場をつくりました。10万円還元されたら、スクショしてSNSで拡散もしてくれる。ここまでがんばっているのは、いつどこで何を買ったか、顧客データが欲しいから。今後も、PayPayなどが中心になっていくと思います。

質問:姉妹都市同士で連携して共通通貨を作ることはありますか?
加藤:遠隔地同士で使うのはまだないと思います。今後は地域が連携して効率化し、遠隔地合併できるかもしれませんね。

質問:水戸に住民票を置くほど好きな理由はなんですか?
加藤:家族が好きだし、高校の同級生も半分くらいは水戸にいるので。
堀下:僕も、妻の実家がつくばで、家族がいて、友達もいます。あと、研究学園都市としての歴史は40年もないから、よそ者や若者にも優しい。緑が多くて、都心も近いし、市長も面白い。
加藤:風上にいることは大事で、つくばが先端を走れば、それを他の地域へ横展開できるようになるね。

質問:プラットフォームの次には何がきますか。
加藤:プラットフォームというハードはあるけど、ソフトはまだ少ない。次はトークンエコノミーが来ると思っています。PoliPoliというサービスは、政策意見をあげて、良い意見には「Polin(ポリン)」という仮想通貨がもらえます。このコミュニティが活性化するほど、Polinの価値はあがるから、良い意見交換ができる仕組みになっています。

質問:解決したい問題とテクノロジーに気づくために必要なコストはなんですか?
加藤:ブロックチェーンは手段にすぎない。ベンチャーは資金で困ることがあるので、大企業と繋がることで生きやすくなります。博報堂は大手との繋がりがあるから、そこでマーケティングしてきたノウハウを持っています。そのノウハウを活かして、ベンチャーをサポートしたいですね。

質問:いろんな活動をするなかで、やらないことはどう決定してますか?
加藤:会社でサラリーマンをやっていきながら、意識的に狂うようにしている。社長室に直接行くとか。普通のことばかりではなく、怒られ続けようと思っています。もし、エリートサラリーマンみたいになったら、殴ってください。笑

これでイベントは終わりました。
「社員とファンの境目がなくなる」という話は、えぽっくが見ている未来の形でもあります。AIやロボットが進むほど、「働く」という意識が変わり、ファンコミュニティが大きな力になると思います。詳しくは、「長期実践型インターンが採用につながる3つの理由」を参照ください。
最後の「狂う」にとても共感しました。僕の好きな言葉は「熱狂」。熱く狂う。幕末に吉田松陰が残した「諸君、狂いたまえ。」という言葉。変化の激しい時代には、時に狂っているような行動が、次の時代の繋がっているのではないでしょうか。

地方で起業するとは?vol.7

そして、次回「地方で起業するとは?vol.7」は1/26(土)です。
地方で起業するとは 水戸 堀下恭平私、えぽっくの若松がゲストをさせていただきます。「人生のターニングポイント」、「えぽっくが目指す未来」など、色々話をしていきたいと思います。どんな話を聞きたいか、アンケートをとっていますが、「働き方の未来」が多そうです。
あと、新年1回目なので、僕と堀下さんからお年玉も用意しています。
面白いイベントになると思うので、ぜひお待ちしています!